はじめに:Atermシリーズのハイエンド対決
NECの「Aterm」シリーズは、日本国内で長年人気を集めているWi-Fiルーターの定番ブランドです。
安定性と信頼性の高さから、家庭用から法人利用まで幅広く採用されています。
その中でも、特に注目を集めるのが ハイエンドモデル。
・PA-WX11000T12(2022年発売のフラッグシップ、Wi-Fi 6E対応)
・PA-7200D8BE(2025年発売の最新Wi-Fi 7モデル)
「旧モデルの11000T12を安く買うべきか?」後継機となる「最新の7200D8BEに投資すべきか?」
本記事ではこの疑問に答えるため、両機種を徹底的に比較レビューします。
まず結論:どっちがいいの?
- コスパ&安定性重視 → WX11000T12
- 発売から時間が経って価格が下がり、今でも十分強い。
「まだWi-Fi 7対応のスマホもPCも持ってない」という人にはベスト。
- 最新規格&将来性重視 → 7200D8BE
- Wi-Fi 7対応で、遅延(ラグ)がさらに減り、同時接続もより快適に。
「これからも長く使う」「最新スマホやゲーミングPCで速さを体感したい」ならこっち。
スペック比較表
| 項目 | PA-WX11000T12 (Wi-Fi 6E) | PA-7200D8BE (Wi-Fi 7) |
| 画像 | ![]() | ![]() |
| 発売日 | 2022年9月頃 | 2025年4月頃 |
| Wi-Fi規格 | Wi-Fi 6E(11ax) | Wi-Fi 7(11be) |
| 最大理論速度 (無線) |
6GHz:最大4,804Mbps 5GHz:最大4,804Mbps 2.4GHz:最大1,147Mbps (合計12ストリーム) |
5GHz:最大5,764Mbps 2.4GHz:最大1,376Mbps (合計8ストリーム) |
| 周波数帯 | 2.4GHz / 5GHz / 6GHz トライバンド | 2.4GHz / 5GHz デュアルバンド |
| 有線ポート |
WAN:10Gbps ×1 LAN:10Gbps ×1 LAN:1Gbps ×3 |
WAN:10Gbps ×1 LAN:2.5Gbps ×1 LAN:1Gbps ×3 |
| メッシュ機能 | 対応(Atermメッシュ) | 対応(Atermメッシュ) |
| 本体サイズ・重量 |
約90×257×237mm 約1.4kgクラス (タワー型で大きめ) |
約54×200.5×215mm 約0.8kgクラス (スリムで省スペース) |
| 消費電力 | 最大 約38W | 最大 約25W |
| 実売価格帯 (目安) | 約4万円台〜 | 約2万円台前半〜中盤 |
| 強み | ・6GHz帯対応で混雑回避に強い ・10Gbpsポート×2で宅内10G構成に最適 ・トライバンドで多台数接続でも余裕 | ・Wi-Fi 7対応でラグに強い ・MLOやMulti-RUで実効速度アップ ・小型&省電力で置きやすい+電気代も抑えめ ・価格が安くコスパ良し |
| こんな人におすすめ | ・NASやゲーミングPCを10GbEで運用したい ・6GHz帯を活かして安定性を重視したい ・家じゅうの機器をトライバンドでさばきたい | ・Wi-Fi 7対応スマホ/PCを使う予定 ・ゲーム配信やオンライン会議でラグを減らしたい ・2〜3万円で「最新規格+長く使える1台」が欲しい |
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一見「新しい7200D8BEの方が速そう」ですが、実は 最大速度の数字は旧モデルの方が大きい。
ただし、Wi-Fi 7の特徴は「数字以上の体感の速さ・安定性」にあるので、この後で説明します。
Wi-Fi 6EとWi-Fi 7の違いって何?

Wi-Fi 6E(WX11000T12)
- 6GHz帯という新しい電波を使えるのが特徴
- 周囲の電波干渉が少なく、安定して速い通信ができる
- ただし対応端末がまだ少ない
Wi-Fi 7(7200D8BE)
- 複数の電波を同時に使って通信できる(MLO機能)
- これにより「ラグが減る」「安定性が高い」
- ゲーム・動画配信・リモート会議で特にメリット大
わかりやすく言うと…
・Wi-Fi 6E=高速道路に新しい車線を増やした
・Wi-Fi 7=複数の道路を同時に走って渋滞を回避できるようになった
買い替える前にチェックしておきたい3つのポイント

WX11000T12と7200D8BEはどちらもハイエンド寄りのルーターなので、そもそも「本当に今、買い替えるべきか?」を一度整理しておくと失敗しにくくなります。
次の3つのポイントに当てはまるかチェックしてみてください。
- いま使っているルーターの規格が「Wi-Fi 5(11ac)」以前
→ 5年以上前のルーターなら、どちらに替えても体感は大きく変わります。 - 接続台数が増えて、夜になると動画やゲームがカクつく
→ 家族のスマホ・テレビ・ゲーム機・IoT家電など、10台以上つながっているなら、ハイエンドルーターの恩恵が出やすい状況です。 - 光回線は1Gbps〜10Gbpsクラスを使っている(もしくは乗り換え予定)
→ マンションの100Mbps共有回線などだと、ルーターを高性能にしても頭打ちになります。
この3つのうち2つ以上当てはまるなら、買い替えを検討する価値ありです。
逆に、
- 一人暮らしで接続台数はせいぜい3〜4台
- ネットの用途は「Web・YouTube・SNS」がメイン
- いま特に遅さや不安定さを感じていない
といった人は、無理にハイエンドモデルにする必要はありません。
現状のルーターが故障してからでも十分間に合います。
回線との相性とボトルネック|ルーターだけ替えても速くならないケース

ハイエンドルーターを選ぶときに忘れがちなのが、「回線側のスペック」とのバランスです。
どれだけ高性能なルーターを使っても、もともとの回線が遅かったり、途中の機器がボトルネックになっていると、性能を出し切れません。
よくあるボトルネック例
- マンションの共有回線が「100Mbps」クラスのまま
→ ルーター側は数Gbps出せても、そもそもインターネット側が細いので頭打ちになります。 - ONU〜ルーター間のLANケーブルがCAT5(古い規格)のまま
→ 1Gbps/10Gbps対応ケーブル(CAT5e以上)に替えないと、本来の速度が出ないことがあります。 - スイッチングハブが100Mbps対応品
→ 途中で安いハブをかませていると、そこで速度が制限されます。
とくに10ギガ回線+Wi-Fi 7で本気で速度を出したいなら、
- 10Gbps対応の光回線(または1Gbpsでも安定した回線)
- ONU〜ルーター間はCAT6A以上のLANケーブル
- 宅内のハブも1Gbps以上対応
といった形で、ルーター以外の部分も含めて整える必要があります。
「回線から見直したい」という人は、別記事で紹介している
〖2025年版〗10ギガ・高速光回線5選|費用と速さの両方で“損しない”選び方も参考になるはずです。
実際の使い勝手で比べる
WX11000T12(Wi-Fi 6E)

WX11000T12(Wi-Fi 6E)の強み
- 6GHz帯で混雑回避
- 10Gbpsポートを2つ搭載(NASやゲーミングPCを有線で直結できる)
- 発売から3年経っても“重戦車級”の性能
WX11000T12(Wi-Fi 6E)の弱み
- サイズが大きい
- 消費電力も高め(最大38W)
- 新規格(Wi-Fi 7)には非対応
7200D8BE(Wi-Fi 7)

7200D8BE(Wi-Fi 7)の強み
- Wi-Fi 7対応で「ラグが少ない」
- MLOで実効速度が上がる(実測5Gbpsクラス)
- サイズが小さめで置きやすい
- 消費電力も抑えめ(最大25W)
- 価格が安い(2万円台から買える)
7200D8BE(Wi-Fi 7)の弱み
- 6GHz帯が使えない
- LANポートはWANだけ10Gbps、宅内の10G運用には弱い
口コミから見えたリアルな声
WX11000T12の口コミ

- 「家族全員で使っても安定して速い」
- 「10Gポート付きでNASが快適」
- 「大きくて置き場所を選ぶ」
- 「発熱が気になる」
7200D8BEの口コミ

- 「この値段でWi-Fi 7はコスパ最高」
- 「ゲームのラグが減った」
- 「サイズが小さいので設置しやすい」
- 「6GHzに対応してないのはちょっと残念」
どんな人にどっちがおすすめ?
動画配信者/ゲーマー/在宅ワーカー→ 7200D8BE(Wi-Fi 7の低遅延で快適)
とにかく安く新しいルーターに替えたい人→ 7200D8BE(最新規格でコスパ良し)
NASや高速LANを宅内で使う人→ WX11000T12(10Gbpsポート2つが効く)
家中にたくさんの端末をつなげたい人→ どちらもOKだが、6GHz帯が使えるWX11000T12がやや有利
まとめ:あなたの選び方
- 「いま快適で安定したネットを安く手に入れたい」→ 7200D8BE
- 「次のスマホ・PCはWi-Fi 7対応を買う予定」→ 7200D8BE
- 「宅内ネットワークを10GbEで組みたい/拡張性を重視」→ WX11000T12
- 「まだしばらくWi-Fi 6端末しか持たない」→ WX11000T12
| 項目 | PA-WX11000T12 (Wi-Fi 6E) | PA-7200D8BE (Wi-Fi 7) |
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| 発売日 | 2022年9月頃 | 2025年4月頃 |
| Wi-Fi規格 | Wi-Fi 6E(11ax) | Wi-Fi 7(11be) |
| 最大理論速度 (無線) |
6GHz:最大4,804Mbps 5GHz:最大4,804Mbps 2.4GHz:最大1,147Mbps (合計12ストリーム) |
5GHz:最大5,764Mbps 2.4GHz:最大1,376Mbps (合計8ストリーム) |
| 周波数帯 | 2.4GHz / 5GHz / 6GHz トライバンド | 2.4GHz / 5GHz デュアルバンド |
| 有線ポート |
WAN:10Gbps ×1 LAN:10Gbps ×1 LAN:1Gbps ×3 |
WAN:10Gbps ×1 LAN:2.5Gbps ×1 LAN:1Gbps ×3 |
| メッシュ機能 | 対応(Atermメッシュ) | 対応(Atermメッシュ) |
| 本体サイズ・重量 |
約90×257×237mm 約1.4kgクラス (タワー型で大きめ) |
約54×200.5×215mm 約0.8kgクラス (スリムで省スペース) |
| 消費電力 | 最大 約38W | 最大 約25W |
| 実売価格帯 (目安) | 約4万円台〜 | 約2万円台前半〜中盤 |
| 強み | ・6GHz帯対応で混雑回避に強い ・10Gbpsポート×2で宅内10G構成に最適 ・トライバンドで多台数接続でも余裕 | ・Wi-Fi 7対応でラグに強い ・MLOやMulti-RUで実効速度アップ ・小型&省電力で置きやすい+電気代も抑えめ ・価格が安くコスパ良し |
| こんな人におすすめ | ・NASやゲーミングPCを10GbEで運用したい ・6GHz帯を活かして安定性を重視したい ・家じゅうの機器をトライバンドでさばきたい | ・Wi-Fi 7対応スマホ/PCを使う予定 ・ゲーム配信やオンライン会議でラグを減らしたい ・2〜3万円で「最新規格+長く使える1台」が欲しい |
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両方とも高性能ですが、シンプルに“最新で長く使えるのは7200D8BE”、“玄人好みで拡張性が高いのはWX11000T12”と覚えておけばOKです。

COCOMOYA編集部。現場経験を持つ 第二種電気工事士・2級ボイラー技士・危険物乙4(乙種第4類)・エアコンクリーニング士・調理師 の資格保有者として、家電と暮らしにまつわる「ほんとうに使える情報」だけを発信しています。
エアコンや空気清浄機などの住宅設備から、キッチン家電・季節家電まで、実際の施工・メンテナンス・調理の経験を踏まえた視点でレビュー・比較を行うのがモットーです。
メーカー目線ではなく、あくまでユーザー目線で「失敗しない家電選び」をサポートします。

